胃が悪いから、食欲がないからといって朝食を抜く人がいます。しかしこれでは胃が空っぽの時間が長くなるため、かえって胃が荒れる原因となります。しかも1日3回の食事が2回に減るので、その分1回に食べる量が増えてしまい、さらに胃の負担となります。また仕事などが忙しくて夕食を摂れないために、深夜に食事を摂ることがあるかもしれません。就寝前の食事は胃に大きな負担をかけます。ですので、そのような時でも夕食の時刻頃にできるだけ何か軽くお腹に入れるようにしましょう。胃が空っぽの時間を短くするとともに、就寝前に食べる食事量を少しでも減らすことができます。食事内容も大切ですが、まずは1日3回、規則正しく食事を摂りましょう。
■山椒(さんしょう)
山椒の皮にはシトローネなどの精油分が含まていますので、健胃、保温などの効果があります。胃がもたれたり、つかえたりしている感じの時には、煎じた皮2~3グラムを、コップ一杯の水で食後三回に分けて飲むと効果があります。
■みかん
みかんの皮を干したものを陳皮といい、漢方薬として使われています。これはビタミンEやクエン酸の働きで消化を助け、胃もたれを癒してくれます。
■蕗(ふき)
蕗の栄養分はほとんどなく、カロリーも低いのですが、蕗の苦味が胃もたれを癒します。
■プルーン
プルーンの酸味は、胃液の分泌を促し、食欲を増進させます。ですから、いつも胃がもたれぎみで、食欲がなく、スッキリしないという人は、どちらかというと、胃下垂で、胃液の分泌が少ないので、プルーンを食べると、胃の活性化をはかることができます。
■山葵(わさび)
わさびの辛味が胃を刺激して胃液の分泌を促し、胃の消化を助けます。そのため胃のもたれにも効果があります。その場合、ごく少量を飲みます。
■紫蘇(しそ)
しそには、滅入った気分を壮快にする働きがあります。漢方薬の香蘇散は、気のうっ滞や、それが原因の感冒、神経症の治療に用いられます。したがってしそは、胃腸が虚弱で食欲がいつもなく、気分が沈んで胃が重い人、また、くよくよして考えごとが多く、そのために食道神経症、胃痛などが起こる人などに効果があります。また、独特のよい香りが、胃腸を刺激して胃液の分泌を促すので、特にどこも悪くないが食が進まないなどという場合には、毎日の食卓に取り入れたり、葉を煎じて飲むと効果的です。
■生姜(しょうが)
生姜の辛み成分には、健胃作用があります。ジンゲロンという成分で、唾液のジアスターゼ作用が促進され、胃液の分泌を活発にして消化作用が正常に行われるようになります。胃腸も働きが活発なれば、血液の状態も良くなり、細胞や組織もしっかりしてきます。
■にんにく
にんにくの臭気の強いアリシンは、タンパク質と結合して、これを消化しやすくします。肉料理などににんにくを使うと、肉の臭みを消すだけでなく、消化も良くしてくれます。また、アリシンは胃や腸の粘膜を刺激して、消化酵素の分泌を促す作用もあります。
■レタス
レタスはビタミンCが含まれており、これが胃の粘膜を強くし、体内に入ったタンパク質の消化吸収をよくして、潰瘍で傷ついた部分を早く修復してくれます。このため胃弱の人や、胸やけに効果があります。
■大根(だいこん)
大根には、でんぷん分解酵素のジアスターゼや、消化を助けるたんぱく分解酵素のアミラーゼが多く含まれているので、大根おろしなどにして食べると、これらの酵素の作用で胃腸の負担を軽くするので、特に胃腸の弱い人には助けになります。
■納豆(なっとう)
納豆菌には、ヂアスターゼ、トリプシン、ペプシン、アミラーゼなどのタンパク質、糖質、脂肪の三大栄養素を分解する酵素が含まれているので、納豆だけでなく、一緒に食べた他の食物の消化を良くしてくれるので、胃の働きの弱い人にも向いています。
■梅(うめ)
胸やけというのは、胃の働きが正常でない場合、胃酸過多でも過少でも起こります。梅は胃酸過多でも逆に無酸性にもよく効き、胃液の分泌を正常にします。普段から梅干しをよく食べていれば胸やけ予防に効果があります。
■柚子(ゆず)
柚子は酸味クエン酸が、胃液の分泌を促す作用があるので、胃の消化を助けてくれます。食事のはじめに柚子を使った酢の物をちょっとつまむのも良いでしょう。
■にら
にらを使った食事をすると、胃がもたれたり、つかえて食欲がない時などは、食が進みます。胃液の分泌を促して、消化を良くする作用があるからです。
■ヨーグルト
ヨーグルトの主成分である乳酸が、胃酸過多などの、胃もたれによる胃酸の分泌をうまくコントロールしてくれます。また腐敗の防止作用もあり効果的です。
■牡蠣(かき)
牡蠣に含まれているカルシウムは神経を鎮静する作用があるので、ストレスで神経が興奮し、不眠などに悩まされている人には効果があります。更に胃酸過多などにも効果的です。また、牡蠣に殻にもリン酸カルシウムや炭酸カルシウムが含まれています。殻は牡蠣自身の唾液が石灰化したもので、これを粉末にして飲んでも同じような効果があります。
■じゃがいも
じゃがいもを常食としていると胃潰瘍、十二指腸潰瘍などに効果があり、消化不良なども治すといわれている。じゃがいもの欠点は貯蔵中に発芽することで、この芽や皮の緑色の部分はソラニンという毒素が多く危険ですので、丹念にとってから調理することが大切です。しかし、低温で貯蔵するか、りんごや洋なしなどと一緒に保存しておくと、芽がでないというおもしろい性質がありますので、一度試してみるとよいでしょう。
■キャベツ
現代人に代表的な症状はストレスからくる胃炎、胃潰瘍だと言われます。それらを駆除するにはストレスを取り除くのが一番良いのですが、そんな場合にキャベツをしっかり食べると予防に結びつきます。それは、キャベツに含まれるビタミンUが抗潰瘍性をもつ物質であるからです。このビタミンUには、体内のタンパク質の吸収を良くし、利尿、解毒作用があり、組織を新しく形成したり、損傷した組織を元通りにするなどの作用があります。またビタミンKには止血作用と血液中のカルシウムイオンを増やす働きがあります。これが不足すると、血が止まりにくい状態になってしまいます。ですから、止血の伴う胃潰瘍などには非常に有効な役割をする成分といえるのです。
■緑茶
緑茶の品質の高いものほどビタミンVが多く含まれています。これは比較的低温で処理されているからです。このビタミンVは、体内のタンパク質の消化吸収、細胞の核にある染色体の構成、解毒作用などに関係し、組織を新しくしたり、損傷した組織の回復を促します。胃に働き、胃の粘膜を強くし、潰瘍で傷ついた部分も早く修復されて元に戻り、胃潰瘍の予防や治療に効果的です。
■梅
梅は胃液の分泌を正常にしますので、胃潰瘍の予防にも効果が期待できます。胃潰瘍はストレスなどの原因によって胃液の分泌が不規則になるのが原因なので、胃腸の機能を正常にし、消化吸収の働きを整える梅が、胃、十二指腸潰瘍などにも効果があるのです。
■きくらげ
きくらげの成分中。ほとんどを占める植物性膠質には、高い止血作用があります。血管から流れ出た血液をすばやく凝血させる働きは、胃潰瘍、痔などの止血に大変効果があり、速効性があるので、昔から特効薬とされてきました。
■トマト
「トマトのある家に胃病なし」と言われるように、トマトの酸味(クエン酸)が消化液の分泌を促すので、肉食の多いもたれがちな胃を助けてくれます。
■麦飯(むぎめし)
麦飯に含まれているパントテン酸が、体内に十分あれば、アセチルコリンも十分に合成されます。そしてアセチルコリンの働きにより、副交感神経の働きは正常になり、腸の調子もよくなり、腸の炎症を防ぐことができます。
■蓮(はす)
蓮の節部を干したもの50グラムを、水0.6リットルで量が半分になるまで煮詰めて、あたたかいうちに飲むと腸カタルに効きます。葉の場合は10グラム用います。
■蓮根(れんこん)
蓮根を刻み、5~10%の煎液にハブ茶を混ぜて飲みます。ハブ茶の量は1日1回以上、大量の便を出す目的で1日量として、5~30グラムほど入れると良いでしょう。
■ りんご
りんごを食後に食べると、胃の炎症・ただれ・潰瘍などの消炎や利尿効果があります。これはりんごに含まれているペクチンが、組織を丈夫に保つ働きをするからです。果物をジャムにするとき、ゼリー化を促す成分がペクチンですので、ジャムを食べるのもいいでしょう。
■枇杷(びわ)
びわに含まれているカロチンがビタミンAに転化して、目やのどなどの粘膜だけでなく、胃の表皮粘膜の正常化にもビタミンAは欠かせません。胃ポリープもビタミンAを与えるとポリープの増殖が止まり、消えていきます。
■プルーン
消化吸収のよいプルーンで鉄分を補給すると、貧血を起こすこともありません。ですから、出血性潰瘍などで、慢性の出血があったり、胃液の分泌のおそい人などは、プルーンを食べると良いでしょう。
■酵母(こうぼ)
必須アミノ酸中のリジンは体内の組織を合成し、トリプトファンは発育に関係した作用を及ぼします。したがって新陳代謝を活発にし、食欲を増進させたり、血を増やしたり、胃腸の働きを活発にさせたりします。
■茄子(なす)
茄子に含まれているビタミンPには、胃の出血や肺の出血を抑え止める効果があります。